AWS入門 第1話 - はじめてのクラウドとAWS
こんにちは。まるとです。
普段からAWSを利用していますが、改めて初心者向けに記事を書いてみたいと思い、何回かに分けて記事を執筆していきたいと思います。
クラウド?
AWSの前に、そもそもクラウドとは何か?という方もいらっしゃると思います。
簡単にクラウドについて説明します。
オンプレミス
クラウドという概念が出る前は、サーバーやストレージなどは組織が所有(または借りている)するデータセンターなどの施設内に、組織が機器を設置・管理する「オンプレミス」という形態が主流となっていました。
オンプレミスでは物理的な機器を組織自身が管理できるため、データの所在地や物理的な制御が可能であるという特徴があります。
しかし、組織自身が機器を設置・管理する必要があるため、ハードウェアの購入費用やデータセンターの物理的なコスト(ネットワーク、電気代など)、インフラストラクチャのメンテナンスやアップデートが必要など、費用面や管理コストが大きく発生します。
また、インフラストラクチャのパフォーマンスは物理的な機器に依存するため、例えば予想よりもオーバースペックであったり、反対にスペック不足となった際、気軽に機器の増設・撤去を行うことができない問題が生じます。
オンプレミスは、データの制御やセキュリティが特に重要な組織にとって有効な選択肢ですが、初期コストや運用の複雑さ、スケーラビリティの制限などの課題もあります。
クラウド
続いてクラウドを見ていきましょう。
組織が機器を設置、管理するオンプレミスと違い、クラウドはクラウド事業者(Amazon Web Services, Inc.など)が管理する機器を使用してインフラストラクチャを構成するための概念です。
ユーザはインターネットやVPNなどを介して、クラウド上に構築したアプリケーションやデータにアクセスします。
「あれ?ではオンプレミスとあまり変わらなくないのでは?」と感じる方もいらっしゃると思いますが、クラウドの大きな特徴としては
必要な時に必要なリソースを調達できる
というのが最大の特徴です。
機器を1台丸ごと購入・借りるオンプレミスとは違い、クラウドでは使用したリソース分のみを支払う従量課金が多く採用されています。
例えば、Webサービスの場合、「どれくらいのユーザ数が来るかわからない...だけど初期投資は最小限に抑えたい...」という場合、特にクラウドは有効です。
オンプレミスは初期費用+ランニングコスト(電気代、ネットワーク、管理コストなど)で多くの場合、決まった費用が毎月かかります。
以下の図では、オンプレミス環境での固定費用が常に75であるのに対し、実際の使用率がそれを下回る場合のコストの無駄を示しています。
しかし、クラウドの場合は必要な時に必要なリソースを手配・使った分だけ課金というモデルのため、突然人気が出て大量のリソースが必要になった時でも、費用を最小限にすぐにリソースの増減が行えます。
(上記の図の場合、オンプレミスで75の範囲を超えたら、もう一台スペックが75のサーバーを手配しないといけません。明日だけサーバーを増やして、明後日にはサーバーを撤去する、というのはオンプレミスではかなり難しいです。)
その他、海外にもサービスを配置したい場合、オンプレミスでは海外のデータセンターにサーバーなどを配置する必要がありましたが、クラウドではサーバーリソースが配置されている場所を選択することができるため、すぐにグローバル展開を行うことができます。
クラウドは柔軟性や費用面を重視する場合に有効な選択肢です。
ただし、クラウドは物理マシンを直接操作することができないため、物理の機器を細かくカスタマイズしたいという要件がある場合、利用が難しくなります。
また、従量課金となるため使用量が予想を超えた場合、予算を超える費用が発生する場合があるため、本番で使用する場合は予算や計画を定めた上で、定期的なモニタリングが必要です。
なお、本シリーズではAWSを中心に執筆していきますが、同じクラウドとしてGoogle CloudやMicrosoft Azureなどもございます。(他にもたくさんあります)
色々なサービス形態
サービス形態としてIaaS (Infrastructure as a Service)、PaaS (Platform as a Service)、SaaS (Software as a Service)などが挙げられます。
以下の記事で詳しく説明しておりますので、よろしければご覧ください。
AWS
AWS(Amazon Web Services)はAmazon Web Services, Inc.が提供するクラウドコンピューティングサービスです。
インターネットやVPNなどを通して、サーバーやストレージなどのオンプレミスと同じようなサービスから、組織の管理コストが最小限となるサーバーレスと呼ばれるサービス、データベースの管理など本記事執筆時点で328ものサービスが提供されています。
AWSは2006年にサービスを開始し、クラウド市場での先駆者として多くの企業や開発者に利用されています。
終わりに
今回は簡単にですが、クラウドの特徴について執筆してみました。
ただ、概要のみではなかなかイメージがつきにくいと思うので、第二話では実際に手を動かして、基礎となるAmazon VPCとAmazon EC2の構築を通して説明できればと思います。
本記事で一人でも役に立てば幸いです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
その他役に立つ資料など